まさに「ぎっくり腰」。当院にヨチヨチ、トボトボと入ってきます。痛々しいです。腰を曲げていないと、「ウ~ッ」。しゃがむ途中に激痛がはしる。しゃがんでしまえば大丈夫。でも、立ち上がるのがたいへん。靴下が履けない。寝返りがうてない....
ともあれ、慌てずに、なんとか、ベッドにうつ伏せに寝てもらえるように、まず、なんとかします。いきなりですと、とてもじゃないですが、「ぎっくり腰」では、寝ることができません。ですから、前菜トリートメントを施します。寝ることができたら、そこから、本格的に施術の開始です。
不思議なんです。「ぎっくり腰」では、スローに動かないと、怖くてしょうがないという状態なのに、いざ、施術が始まると、反射的に、自ら、積極的に、素早く、ベッド上で、サッサッと、全身を本能に任せて動き始めるのです。
先ほどまでの、動き方とは別人のような、素早い動きです。痛いはずの腰のことは、もうどこ吹く風。そんな腰のことなど、考えていられない、構っていられない。それよりも、今は、施術しているところしか、意識がいかない。だから、腰はまったく痛く感じないから、いくらでも動けるし、動いてしまう。
これが、施術中に、実際に、「ぎっくり腰」を患っている人の特徴です。
本能でいくらでも、動け、充分に受身運動をし終えた後、立ってもらって、好きなように動いてもらいます。
先ほどまでとは、各段の動きの違いです。
「ぎっくり腰は、卒業しましたか.....?」
「ヘッヘッヘッ.....」
人間は、他のところに意識がいくと、痛くて患っているところなど考えていられません。味わえることも、考えることも脳でしなくなると、忘れてしまい、痛みが消滅してしまうものです。痛いところ以上に、他のことを脳で考えさせてしまえば、「ぎっくり腰」は消滅します。